「美味しいもの」を食べることがすっごく幸せなことに気づけたのは、手術直後の入院中や抗がん剤で食べるのがシンドイときなど「食べれない」ときを経験したからだった。そして癌になるという健康的ではない状態になったことで意識するようになったのは食べ物の「栄養」についてだ。
癌になって今更ですが・・・気づけたのだから結果オーライ!
そんな栄養について教えてくれるのが年末に本屋で出会った本。
『その調理、9割の栄養捨ててます!』監修が東京慈恵会医科大学付属病院栄養部。ここの病院ではないが、栄養部といえば、入院中に大変お世話になった部署。その監修とあらば期待できそうだということで買いました。一人暮らしで自炊はそこそこにしているので、食べれるものはそれなりに作っていると思っていたのですが、この本を見て「なんてまぁもったいない食べ方をしていたものか」と考えさせられた。
ちょっと土がついているからと切り捨てていた『ほうれん草』の<根元>
⇒根の<赤い部分>には貧血を防ぐ鉄分や骨をつくるマンガンが豊富⇒実際に食べてみると甘みもあって美味しかった。
(もらい物のうなぎで丼+なんちゃってシチュー+ほうれん草と卵の炒め物)
取るものだろうと勝手に思っていたピーマンの<ワタと種>
⇒<ワタ>の栄養は皮の10倍だそう。「ピラジン」という成分が<ワタとタネ>に含まれているという。血液をサラサラにして血栓や脳梗塞、心筋梗塞などの予防。薄毛予防や美肌効果、代謝促進も期待できるという。⇒個人的にはピーマンの苦味も美味しいと感じるのでまったく抵抗なし。苦手な人も味付けしだいでいけると思う。
むくものだと思っていた<野菜や果物の皮>
ニンジンを調理するときはピーラーでぐいぐい皮をむいていた。本によると皮は中心部の2.5倍のβ-カロテンがあり、ポリフェノールも4倍含まれているとのこと。普段ニンジンの皮と呼んでいるのは「内鞘細胞(ないしょうさいぼう)」というもので食べられるもの(可食部分の一部)。本来の皮と呼ばれるのは出荷前の洗浄時にほとんどむけているらしい。
リンゴの皮もうまくむけるようになって、包丁の使い方も慣れてきたなと自画自賛していた。しかし、皮ごとなら栄養はカリウム約2倍、ビタミンEは約4倍だそう。芯の近くも種ごとゴソッと切り落としていたが、食べられないのは種だけだという(種には毒性があるため)。スライスするように輪切りにすれば皮も気にならずに食べれた。
買った大根にちょこっとだけついていた葉っぱの部分。油でさっと炒めただけ。これだけなのに素材の味がしっかりして美味しかった。大根の葉っぱの部分はほうれん草に比べてビタミンCが5倍、カルシウムは5.3倍。葉に多く含まれるビタミンAは脂溶性なのでゆでるよりも油で炒めると体に吸収されやすい。
などなど、どれだけ栄養を無駄にしていたのか気づかされる1冊だった。興味をもたれた方はぜひ書店などで手にとって見てください。
食べることは体をつくること
「食事」は当たり前のこと。だからこそ普段意識していないから気づかない。気づけないうちに栄養は何かが足りなくなったり、多く取りすぎたりしてバランスが崩れる。熱が出たり咳きが出たり体調が悪くなる。太りすぎたり、痩せすぎたり、石が出来たり癌が出来たりする。
健康グッズや化粧品なんかが世の中には色々あるけれど、日々の積み重ねで重要なのはやっぱり「食事」。筋トレも「ここに効いてるぞ~」と意識しながらするといいと聞きますが、食事も「この栄養とれてるぞ~」と意識しながらするといいのかもしれない。
そんなこんなで更新2日目。明日は「共病」