経済産業省のトランスジェンダーの職員の方がトイレに使用制限を設けられていたことは「違法」である。との判断が最高裁からでました。
ネットでは色々な意見や暴論など様々飛び交っています。暴論の多くが『これで女子トイレに男性が女装して入っていけるわ』といった内容なのですが、全然状況が違うことを理解しなければいけないと思います。これは【職場】に限った話です。しかも職場でトランスジェンダーであることを周囲に伝えて勤務していたというケース。例えば町中のデパートや駅のトイレの話とはまったく異なる点は理解する必要があります。
異例のことだそうですが、裁判官が全員「補足意見」を述べています。
これは必見です。
そして、この問題が今回だけのケースではなく、社会全体で考えるべき問題で、多様性ある社会をうたうならば絶対に避けては通れない問題だと感じました。
先月にLGBTへの理解増進法が成立したばかり。
ネットへの書き込みなどを見ていると、この判決をきっかけに、また理解への溝が深まっているように感じてしまいます。
「性自認」への理解とはまったく別の話ではありますが「病気・がん」への理解にも共通するところはあると思っています。
僕はいまの職場がたまたますごく理解があるところで、自分ががん患者でありサバイバーであっても解雇することなく働かせてくれているし、治療も応援してくれています。でも、社会全体がそうではないでしょうし、昔は理解も進んでいなかったことは想像できます。
「がん」と分かった時点で解雇されたり、治療をすませて体は元気になったのに、病気を理由に採用されなかったような時代もあったのだと思います。少しずつ理解が進んできたことで、そういうことも少なくなったのが今の社会だと思います。
「性自認」についてもおそらくそうで…【理解してもらおう】という動き【理解しよう】という動きが双方向からあって、色々な折り合いをつけながら、社会を形成していくことが重要なのだと思います。
世界的にも「性自認」については「こうだ!」という正解がまだ見えていないのが現状だと思います。スポーツの世界でもトランスジェンダーの選手はどちらの性別の競技に出るべきなのかなど議論もあります。頭ごなしに否定するのではなく、それぞれの立場でどう歩み寄れるのか?事実上の妥協点を見つけることが、多様性の社会で必要なことなのでしょう。
とにかく「性」の話題はひじょーーーーに難しい。