よもぎに含まれる成分が危険な抗がん剤よりも34,000倍も正確に癌細胞だけを死滅させという
という文言です。Twitterで「よもぎ」「がん」と検索してみると上の文言がたっぷり出てきます。まるで複数のbotが永遠とつぶやきループしているようですが信憑性はあるのか?ソースとして貼られているのが「るいネット」というサイト。2015年5月に書かれた記事といっていいのか?文章です。個人的にはまったく信用に値しないサイトだと思うのでこの文章の内容をそのまま受け取る気はさらさらありませんが、この情報を見て「よもぎに効果がある」「最高の情報だ!」「抗がん剤なんか使わないでよもぎを接種していれば癌が治るんだ」という思考になるのは非常に危険だと思います。そもそもどの抗がん剤と比較して34000倍なんだって話なんですが…
この文章の中にワシントン大学のヘンリー・ライ教授が報告している。とあるので、探してみたらありました。
ただ、これ2008年10月13日にワシントン大学が発表しているものです。その後、この研究がどうなったのか現状見つけることができませんでした。本当に効果が高く、ヒトにも治療効果が示されたのなら、すでにがん治療の最前線で使われているはずです。従来の抗がん剤の34000倍の効果がヒトにも適応されるならノーベル賞ものでしょうし、この成分を使った治療薬が出回っていてもおかしくありません。
よもぎから抽出された成分ががん治療に使われる薬になっているのか調べてみたら、ありました。
でてきのは野田製薬株式会社が臨床試験用として販売している飲み薬「Artemix-M60(アルテスネイト製剤)」です。臨床試験用ということは、まだ標準治療として使われる薬ではないということです。つまり、一定の効果は報告されているようですが、国がお墨付きを与えるレベルではないということではないでしょうか?
もう1つ見つけたのが自由診療で「アルテスネイト」を点滴する治療です。ある個人クリニックのHPで公開されている料金を見てみると、1クール99万円!保険が効かない自由診療なので高いのは当然なのですが、批判を恐れず言うならぼったくりじゃねーか。と思ってしまいます。
なんだかんだ書きましたが今回自分なりに調べた結果は・・・
よもぎから抽出された成分はがんに効果があるのかもしれないが、現状、がん治療として標準治療に使われるようなものではない。
抽出されてやっとこさ効果を示す成分なのに、よもぎ餅やよもぎ茶で体の中に接種する量、よもぎ蒸しでどう体の中に取り込まれるのか不明ですが…そんな量ではたしてが普通に行われるがん治療の効果以上のものを示すのでしょうか…。とてもそうは思えません。なので、がんに効くとか、がんが治るとかうたっている商品やサービス、情報を拡散する人物や企業などは信用できません。
でも、ネットで検索すれば・・・
「よもぎでがんが治った」「知り合いの親は抗がん剤をやめて、よもぎ茶を飲むようになったらがんが治った」
という話が転がっているかもしれません。もうそこまで来たら信じたかったらどうぞです。幸いにもSNSは過去の発言なども見ることができます。そういう話をしている人がそれ以前や以後にどんな発言をしているのかを見れば、信用できるかとどうか判断できると思います。
最後にはさじを投げたみたいになっちゃいましたが、今の抗がん剤の治療を辞めてがん治療で「よもぎ」に頼ることはないとだけ書いておきます。
ちなみに、「よもぎ」の栄養を否定するものではありません。ビタミンKやカロテンが豊富だったりするので健康にいいと言われたらその通りだと思います。しかしそればっかり接種するのはどうなんよって話です。他にも旬の野菜や果物なんかをバランスよく食べる方が絶対いいと思います。