僕は胸腺がんの患者(がんサバイバー)ではありますが、ツイッターでフォローさせてもらっている方の中には乳がんの方もいらっしゃいます。なので、ツイッターのタイムラインを見ていると「ピンクリボンフェスティバル」の乳がん啓発ポスターが流れてきました。
ぱっと見てどうでしょうか?ツイッターでの議論を見ていると、患者さんの気持ちをないがしろにしている、という多くの意見を見ました。冷静になって自分の目でも見てみると…(´゜ω゜`)う~んたしかに、患者目線で見ると‥‥‥
う~ん。どんな気持ち、考えで作品を作ったんだろうか?第17回デザイン大賞受賞作品はコチラのページから見ることができ、受賞した方のコメントも読めます。
https://www.pinkribbonfestival.jp/design_award_17/
( ^_^)/ココからですが…なぜ?患者さんの気持ちを傷つけてしまうような結果になったのか?それについて考えてみたいと思います。
乳がんの“正しい知識”を広め、乳がん検診の早期受診を推進することなどを目的として行われる世界規模の啓発キャンペーン。その際のシンボルとなるのが『ピンクリボン』。
とあります。何1つ悪いことはありません。命に関わる病気でもある「がん」その1つの乳がんを早期発見、そして早期治療につなげていこうというものだと思います。
では問題となっているポスターはどんな活動のものなのか…
「ピンクリボンフェスティバル」が2005年から実施しているデザイン大賞です。
「ピンクリボンフェスティバル」を主催しているのは「ピンクリボンフェスティバル運営委員会」構成しているのは、六本木ヒルズ、表参道ヒルズ、虎ノ門ヒルズ、東京ミッドタウン、大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会、神戸市、神戸商工会議所、神戸新聞社、朝日新聞社、日本対がん協会
活動目的を見てみると「乳がん検診の大切さを伝え、患者さんを支えていく」というテーマを掲げている団体のようです。
https://www.pinkribbonfestival.jp/festival/
ここまでは問題を感じません。キャンペーンを通して啓発活動を続けてくださることは社会的にも意義のあることだと思います。
問題はデザイン大賞の募集要項です!
内容を見てみると
乳がんの早期発見の大切さを伝え、検診受診を呼びかけるとともに、正しい知識の習得と自分に合った適切な行動を促す作品
とあります。残念ながらここには「乳がん患者・家族等の支援」という要素が1ミリも入っていません。せっかく「ピンクリボンフェスティバル」自体の活動には「乳がんの普及啓発」「乳がんの患者・家族等の支援」があるのに本末転倒であります。
と思っていたら、応募要項のページを細かく見ていくと『権利規定・諸注意』のなかに
作品制作にあたっては「乳がんと検診について」と「MY PINK ACTION」をご覧いただき、乳がん患者の方および家族等、関係者の気持ちに配慮して制作してください
とありました。でも、この文書は契約書で言うと細かい字でびっしり書いてあるみたいな扱いの中にある一文。重要視されているとは思えません。
なので、このグランプリ対象のイメージ図はこんな感じです。
であれば、応募する方は「検診を呼びかけること」を重視して創作活動する。そして、審査する側も「どれだけ多くの人に呼び掛けられるインパクトがあるのか」を基準にすると思われます。結果、乳がん患者さんの心を傷つけてしまうような作品が作られてしまい、選ばれてしまったということではないでしょうか?「ピンクリボン」の活動としては配慮に欠けている!
ぜひそういう点を改めていただいて、来年からは「乳がん患者・家族等の支援」についても意識してもらえるような作品が生まれてくれることを願っています。