極々一部で万能薬のごとき扱いを受けている「重曹クエン酸水」なる飲み物。自宅で水に重曹(食用)とクエン酸を混ぜて飲むだけらしいのですが、これを飲めば体調がよくなり、がんまで治るというのです。
(@д@)「バカにしないでほしい。炭酸水にそんな効果はない!」
↑僕はこの意見です。
そういう主張を繰り返している一部の人には小学生か中学生の理科からやり直してほしいぐらいなのですが…思い込んでいる人には何を言っても意味がない。自分は間違った科学知識でデタラメを言わない人間でありたいので、どんな考えで主張をしているのか推察してみたいと思います。
X(旧Twitter)で「重曹クエン酸水なんて飲まねーよバカ」みたいなつぶやきをしたら「愛と調和おじさんひろみち(省略)」という人物から「これを沢山見れば体内環境がどうなって癌が消えていっているかが簡単にわかります」というメッセージをいただきました。
ご丁寧にご案内いただいたので、アメブロに書かれたページを見てみましたが意味不明でした。なぜか『緊急時以外は西洋病院を避けて』と病院嫌いなことはわかりましたが…。
なので…(@д@)「あなたの言うことに微塵も価値を見出せない。がん患者を食い物にするな!」と言ってみました…そうすると案内されたのが厚労省のページです。
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1e18.pdf
(厚生労働省が2006年に公開したと思われるページ)
腫瘍崩壊症候群というものを説明するページです。これによると腫瘍崩壊症候群とは「がん治療」のときに腫瘍(がん)が急速に死滅する時に起こる症状とあります。がん細胞の死がい(成分)によって腎不全など色々な状態が生じることだそうです。
その色々な状態のなかには「代謝性アシドーシス」という血液が酸性になってしまう症状もあるようで。その治療のためにクエン酸塩、重曹を服用すると説明があります。
※人間の血液は弱アルカリ性に保たれている
厚労省の資料のどこを見ても「重曹」または「クエン酸」が直接的にがんに効果があるということは一言も書いていません。これを読んでなぜがんが消えると考えたのでしょうか?本当に意味が分かりません。
ひろみちさん(省略)はさらに続け…「人間は本来、野菜からビタミン・ミネラル・重曹クエン酸成分を補って健康を維持しています」という発言が飛び出します。
【野菜から重曹クエン酸成分?】僕には理解できない思想と認識をお持ちのようなので、普段どんなポストをしているのか覗きに行きました。「学校教育では教わらないが、自然界の野菜には重曹成分(重炭酸イオン)が絶妙な濃度で含まれている」という発言も見つけました。こりゃもうお互いが理解しあうのは無理です。僕とは違う世界で生きていらっしゃるようです。
僕が願うのはただ1つ。このような間違った科学認識を持つ人の主張を真に受ける人が少なくなってくれることです。
重曹クエン酸水(しょっぱい炭酸水)の健康への効果を考えるとするなら…
炭酸水なのでお腹が膨れる。ダイエット効果が多少あるかな?ぐらい。
どか食いしてるような人にはいいんじゃないでしょうか?
逆にナトリウム(塩分)があるので、飲みすぎると塩分過多でそっちが問題になるかも
将来、研究のはてに重曹クエン酸水ががんに効果を示したという確かな医学的知見が示されれば話は別ですが、ぼくは重曹クエン酸水を一口たりとも飲むことはないでしょう。
コーラや三ツ矢サイダーとか炭酸ジュースとかは飲みますよ。おいしいので。